自立と従順さを同時に求めてしまう親心

自立と従順さを同時に求めてしまう親心

 


「自立した子に育ってほしい」そう願う親は少なくありません。しかし今悩んでることは何ですか?と問われると「子どもが言うことを聞かない」と悩んでいる親も多いのです。辞書によると、自立とは「周りの助けを必要とせず、支配を受けず自分の力でやっていくこと」とあります。そうなのです、親が子どもに願う未来の姿と今求めている姿が矛盾してしまっているのです。

例えばこんな時、考えてみたいのです

子どもが静かにしていたらそれは「偉い」のでしょうか?

いたずらをしなければ良い子なのでしょうか?

言うことを聞けない子は問題児なのでしょうか?

これらは大人の観点であり、大人にとって迷惑をかけない子、従う子だから偉いと勝手に評価を下してしまっているのかもしれません。子どもがやっていることには全て理由があり、時に成長に必要な経験でもあり、本気で大人を困らせようとやっているということはあまりありません。誰かに従うことができるのも、もちろん大切です。しかし親がそれを強く求めてしまうと、子どもは依存心の強い子になり、自立からは遠ざかってしまうと思うのです。そして依存している対象から離れれば不安な感情が湧いてきて、精神的な成長が止まってしまうこともあるでしょう。

ですから子どもが従順でないことに悩まなくて良いのです、むしろ従わないのであれば自立に向かっている証拠です。偉い・ダメと評価も下さなくて良いのです。子どもを一人の人格として尊重しながら、子どもの変化を恐れずにどっしりと見守っていきましょう。今まで子どもへの声かけについてのお話はたくさんさせて頂きましたが、改めてなぜそうしなければならないのか?という原点を考えることも大切なのかもしれません。

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