いじめはしてしまった子も、された子にも大人がきちんと子どもの心に寄り添ってあげる必要があります。もしいじめてしまった子どもに対して大人が「うちの子がするわけがない」「やってないよね?」「何てことしたの!」「ガツンと殴っておきました」というような言葉が出てしまったら、そこに隠れているのは「子どもに傷つけられた」「恥ずかしい思いをした」「ダメな親と言われてる気がした」という大人の気持ちであり、子どもに寄り添っていることにはならないため注意が必要です。
まずはどうしていじめをしてしまったのか理由を聞き、気持ちに寄り添いながらもやってはいけない事だったと話をすることが大切です。そしていじめをするような心理になってしまったのは、家庭や友達関係、SNSや習い事などの他の環境で何かストレスを抱えていないか、我慢していることはないか、子どもにも話を聞きながら大人がたくさん考える必要があります。心にしまっている本当の感情や問題を引き出して解決してあげない限り、誰かに攻撃することで発散するという方法を選びやすくなってしまうからです。たとえ子どもに「うるせえババア」と暴言を吐かれても、受け入れて流し、とことん向き合い愛情を与え、味方であることを伝え続けます。そしていじめてしまった子に対して、子どもがきちんと反省し謝ることができる心の状態に大人が導いてあげることが大切です。
いじめを受けたお子様の保護者の方は、いじめをした相手に対して懲らしめてやる、起きた現場にクレームを出す!という気持ちより、目の前の子どもにフォーカスしてあげたいです。そして「辛かったよね、話してくれてありがとう」と勇気を出して話してくれたことに感謝し、絶対的な見方であることを伝えます。必ずいじめが起きた現場の方にも相談しできる限りの対応も進めながら、子どもには辛かったら無理して行かなくてもいいことや、行けたとしてもいつでも途中で先生に伝えて早退してもいいことなどを伝えながら心の安全も確保したいです。いじめを受けた子は大人に相談できない事も多いですが、学校の様子やクラスメイトの話題を振って探ってみたり、他にも体調不良が続く、ぼーっとしていたり静かにしていることが多い、遅刻や休みが増えた、イライラしている、食欲が減ったなどのちょっとした変化から気づけることもあるかもしれません。いじめはしてしまった子も受けた子も、どちらにも大人がきちんと向き合うことで解決に繋がっていくので、強い思いを持って対応したいです。