子どもの中にある競争心

子どもの中にある競争心

 


「1番になりたい」「勝ちたい」など競争したい気持ちを抱くのは子どもにとって自然なことです。しかし最近では運動会でも勝ち負けが無いように変更されたり、競争や点数をつけることは子どもにとって良くないという声も耳にします。果たして本当に競争心を抱くことは悪いことなのでしょうか? 

まず競争が良くないと感じさせてしまう理由は

人間を勝ち負けや点数で決めるものでない

負けてしまったり、点数が悪いと子どもがやる気を無くしてしまう

良くない結果だったら可哀想

というものかもしれません。

しかし本来は勝ち負けや点数はその人を決めてしまうものではなく、その人の行為の結果を判断するものとして存在しています。

良くない結果だった時にやる気を無くしてしまう子もいらっしゃいますが、頑張ろうとする意欲に繋がることもあります。もしかするとやる気を無くしてしまう原因の一つに大人が子どもに劣等感を抱かせやすい競争の仕方をさせてしまっていることもあるかもしれません。

そして良くない結果だったとしてもその経験を通して何かを感じたり学ぶことも大切だと私は思うのです。

 

では競争心が強すぎると子どもはどうなってしまうのでしょうか?

何でも競争になってしまい、自分以外が常に競争相手になってしまう

競争で相手を見下したり、コントロールし始める

自分を過信してしまう

思った結果でない時に劣等感を抱きやすい

ということがあります。 

 

反対に競争心が弱すぎてしまうと

向上心がなく成長しづらい

自己肯定感を得られにくい

ということもあります。

競争心はほどほどに持つことが大切なのかもしれません。

 

競争の表向きは「勝負する」ということですが、裏の目的には「心の成長」があると思っています。競う過程やその結果で何を考えて感じるのか、そして頑張る気持ちを味わったり、やる気や自信にも繋がっていく。その為には子どもが劣等感を感じない程度の適度な競争は必要なのではないかと思います。ただし大人が競争心を無理やり引き出そうとしたり、あおってしまったり、教えたりするのではなく、あくまでも子どもから自然に湧き上がるのを待つべきです。無理をしてしまうとネガティブな感情を生み出してしまったり、勝った子が良い、負けた子はだめというという意識を強めてしまいます。

 

ー大人も声かけに気をつけてー

運動会で負けて悔しがっている子には「悔しかったよね。でもみんなでやれて楽しかったね!」とポジティブな声かけをしたり

子どもが誰々に勝ったんだ!と伝えてきた時は「誰々に勝ったなんてすごい!」と伝えてしまうのではなく「一生懸命頑張ってたから自分自身に勝ったんだよ」って伝えるのも素敵だと思います。

競争は自分に勝つこと、過去の自分との戦いという風に考えるとピュアに頑張れる気がしますし、勝つぞ!より負けないぞ!と思った方が心のあり方としてプラスになるような気がします(あくまでも私の感じ方です)

そして競争心を持つのは大切ですが不安や恐怖などの感情に支配されて現状に満足できないのは良くないことです。今の自分に十分に感謝し、幸せを感じながら、よりベターを目指していくのが健康的なのではないかと感じます(またもや私の感じ方なのですが)

実際にはこの世はかなり競争社会だからこそ、生き抜くためにも適度に経験を重ねて自分を育ててほしいと思います。

©kika. All rights reserved